MolForma

NWCHEM · MOLECULAR EDITOR

分子を組み、計算し、
結果を確かめる。

MolFormaは、量子化学計算プログラムNWChemのためのデスクトップアプリです。部品を置いて分子を組み、計算条件を選んでNWChemを実行し、最適化した構造や振動・軌道・スペクトルまでを1つの画面で確かめられます。

  • Qt6 / C++20
  • 日本語・英語
  • MCPサーバー内蔵
  • 実行時にPython不要
  • GPL-2.0-or-later
MolFormaの「1 分子」の画面。コバルト錯体を配位中心と配位子から組んだところ
「1 分子」の画面:trans-[Co(en)₂Cl₂]⁺ を配位中心と配位子から組んだところ

画面の流れのとおりに進める

ヘッダーに並ぶ番号付きのタブが、そのまま作業の順番です。

  1. 1分子部品・SMILES・構造ファイルから分子を組み、力場で形を整える
  2. 2計算条件手法・基底・電荷・計算目的を選び、組合せを検査する
  3. 3実行設定NWChemの実行ファイル・MPIプロセス数・ジョブの保存先
  4. 4入力プレビュー生成したNWChem入力を確かめ、保存する
  5. 結果ビューア構造・振動・軌道・スペクトル・反応経路を確かめる
  6. 履歴過去の計算を比べ、分子と条件を再利用する

1 分子

部品を置くだけで、計算できる分子に

原子・骨格・置換基・配位子・アミノ酸の部品をクリックで置き、結合の種類や距離・角度・二面角を数値で指定します。編集は候補として表示し、確かめてから確定します。

  • 配位中心と配位形状、二座配位子、酸化数に合わせた全電荷
  • 配列からのペプチド(末端キャップ・側鎖の状態)と残基の置換
  • 立体(R/S・E/Z)の記録と反転、同位体、外部点電荷、自作の部品
  • SMILES、XYZ・MOL・SDF・PDB、NWChem・Gaussian入力からも始められる
「1 分子」の画面と操作
配列 AHE からキャップ付きのペプチドを組んだ「1 分子」の画面と、右側の「残基」ページ
配列 AHE から、ACE・NMEのキャップ付きペプチドを組んだところ
# Generated by MolForma for NWChem
start molforma
charge 0

geometry units angstrom nocenter noautosym
  C -0.044927  0.013489  0.036801
  O -0.865382  0.865338 -0.750307
  …
end

basis cartesian
  * library "6-31g*"
end

dft
  xc b3lyp
  mult 1
  grid fine
end

task dft optimize
task dft frequencies
エタノールの「最適化 → 振動数」(B3LYP/6-31G*)でMolFormaが生成した入力(一部省略)

2 計算条件 · 4 入力プレビュー

選んだ条件から、検査済みのNWChem入力を

手法・基底・電荷と多重度・計算目的を選ぶと、電子数と組合せを検査し、座標から task までそろった入力を生成します。入力プレビューでは、各行がどの設定から来たかをたどれます。

  • HF・DFT・MP2・CCSD(T)
  • 構造最適化・振動数
  • 遷移状態探索・IRC
  • 座標スキャン・拘束
  • TDDFT
  • COSMO・SMD
  • BSSE補正
  • ZORA・DKH・X2C
  • Mulliken・ESP・NMR・分極率
「2 計算条件」の説明

結果ビューア

計算の結果を、その場で確かめる

NWChemをローカルで実行・停止し、進み具合とログを表示します。終わった計算は結果ビューアで開き、最適化した構造を次の計算に取り込めます。

  • 最適化の経過と収束、エネルギーの一覧とΔE
  • 振動のアニメーションとIRスペクトル、熱化学
  • 分子軌道・電子密度の等値面(CUBE・MOLDEN)
  • 励起状態と吸収スペクトル、スキャン・IRCの経路
「結果ビューア」の説明
結果ビューアの「励起状態」タブ。励起エネルギーと振動子強度の表と、吸収スペクトルのグラフ
p-ニトロアニリンのTDDFT:励起状態の表と吸収スペクトル

履歴

保存した計算を日ごとに一覧し、組成・手法・基底が同じジョブどうしのエネルギー差(ΔE)を並べます。計算に使った分子と条件は、そのまま再利用できます。

「履歴」の説明

AIからの操作(MCP)

MCPサーバーを内蔵しています。Claude CodeやCodexに登録すると、分子の編集から計算・結果の確認までを言葉で頼めます。NWChemの実行ファイルや読み書きする場所は、利用者が決めた範囲に限られます。

MCPサーバーの説明

画面ごとの機能と操作

タブと画面の部品が何をするかを、画面写真とともに12のページで説明しています。

機能と操作の一覧へ

題材から選ぶ実習

分子を組んでNWChemで計算し、結果を確かめるまでを題材ごとに通す16の実習です。どのページにも、実際に計算した結果と画面写真、練習データが付いています。

実習の一覧へ

入手とビルド

ソースコードはGitHubで公開しています。次の開発パッケージを入れてビルドします。計算には、別にNWChem(MPI版では対応するMPIランチャー)が必要です。

必須
Qt6(Widgets、6.4以上)、Eigen3、Open Babel 3、CMake 3.21以上、C++20コンパイラ
任意
RDKit C++(立体判定・残基認識)、VTK 9.1以上(3D描画)
OS別のインストール手順と必要パッケージ READMEの手順を見る
# ソースの取得とビルド
git clone https://github.com/hnakada123/MolForma.git
cd MolForma
cmake -S . -B build -G Ninja -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release
cmake --build build -j 4
./build/molforma

ライセンス

MolFormaは GNU General Public License バージョン2以降(GPL-2.0-or-later)のもとで公開されているフリーソフトウェアです。

  • ソフトウェアの利用・改変・再配布は自由です。改変・利用にあたって作者への連絡は不要です。
  • 改変して配布する場合は、同じGPL(バージョン2以降)のもとでソースコードを公開する必要があります。Open Babel(GPL-2.0-only)とリンクしたバイナリを配布する場合は、GPLバージョン2の条件に従います。
  • 本ソフトウェアは無保証で提供されます。いかなる場合においても、作者は本ソフトウェアの使用によって生じた損害について一切の責任を負いません。

ライセンス全文は LICENSE ファイルを、依存ライブラリのライセンスとの関係は NOTICE ファイルをご覧ください。

NWChemについて

MolFormaはNWChemを同梱していません。計算には別にインストールしたNWChemを使い、NWChemはそれ自身のライセンス(Educational Community License 2.0)に従います。MolFormaはNWChemの開発元とは関係のない独立したソフトウェアです。NWChemの入手方法や使い方は、NWChemのホームページ(https://nwchemgit.github.io/)をご覧ください。

NWChemで得た結果を発表する際は、NWChemの文献を引用してください:E. Aprà et al., “NWChem: Past, present, and future”, J. Chem. Phys. 152, 184102 (2020), doi:10.1063/5.0004997